【これからの子育て】人工超知能時代を生きる子どもに必要な力の育み方とは?

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最近、日経新聞で「超知能」という連載企画が始まったのをご存じでしょうか?
そこに登場するのは、今や話題の「AI」ではなく、AGI(汎用人工知能)ASI(人工超知能)と呼ばれる、人間の知性を超えるAIの姿です。

そんな超知能が実現した未来には――

  • AIがAIをつくり出し、自己増殖していく
  • ホワイトカラーの仕事の多くがAIに代替される
  • ほとんどのガンに効く薬が開発される
  • 多くの人が人生相談をAIにする

……そんな世界が当たり前になっているかもしれない、と言われています。

まさにSFのような未来。でも、それを生きていくのは今の子どもたちです。

これからの教育で大切なのは、“人間らしさ”と“自分らしさ”

そんな時代に、私たち大人ができることは何でしょうか?
私は、「人間に求められる力を育てること」、そして「自分にとっての幸せを見つけ、それに向かって生きる力を育てること」だと思っています。

AIがどんなに進化しても、人間だからこそ発揮できる力が、これからはますます大切になるのではないでしょうか。
そしてその土台を、子ども時代から育んでいくために、私がとても大切だと感じているのが「読書」です。

AIではなく人間に求められる力をどう育てるか

AGIや人工超知能が社会のあらゆる場面に関わるようになると、AIに任せられることはどんどん増えていきます。
でもだからこそ、人間にしかできないこと、ではなく、「人間にこそ求められること」が浮き彫りになっていくのです。

たとえばこんな力です:

  • 自分で問いを立て、深く考える力
  • 他者の気持ちを想像し、共感する力
  • まったく新しい発想を生み出す創造力
  • 何が正しいかを自分で判断する倫理観
  • 自分のペースで学び続けていく力

そして、もうひとつとても大切なのが――
「自分にとっての幸せを見つけ、それを目指して生きる力」です。


自分の幸せを知って、生きていく力を

これからの時代は、情報があふれ、価値観も多様になっていきます。
そんななかで、誰かの“正解”や“幸せの型”をなぞるだけでは、心が置き去りになってしまうこともあるでしょう。

でも、「自分が本当に大切にしたいこと」「夢中になれること」「幸せだと感じる瞬間」を知っていれば、どんな時代でも自分らしく歩いていけるはずです。

たとえ隣に超知能がいたとしても、自分の人生を、自分の足でしっかりと生きていく力――
それこそが、これからの人生を幸せにサバイブしていくために必要な力だと、私は思います。

そして、その力を育てる日々の営みのひとつが、「読書」なんです。


なぜ「読書」が、AGI時代の生きる力の土台になるのか?

読書は、ただ知識を得るための手段ではありません。
人間らしさと自分らしさを育てる、日常の中でできるとてもシンプルで本質的な営みです。

では、どのような点で「読書」がAGI時代の子どもたちの力になるのでしょうか?


読書は「想像力」と「共感力」を育てる

物語を読むことは、登場人物の気持ちに寄り添い、その背景や感情を想像することの連続です。
つまり、他者の視点に立って考える力や、心を動かされる感受性が自然と養われていきます

これは、どんなに賢いAIにも代替しきれない、人間らしさの根幹です。
人と関わり、信頼関係を築くうえで欠かせない「共感」の力。
それを、子ども時代の読書体験がしっかりと育ててくれるのです。


読書は「問いを立てる力」を育てる

読書は、与えられた情報を受け取るだけでなく、「なぜ?」「どうして?」と自分の中に問いが生まれる体験でもあります。

特に物語やノンフィクションに触れていくなかで、「自分だったらどうする?」「この人の考え方は正しい?」といった内面からの問いが、深い思考の芽になります。

AIは膨大なデータから答えを導き出すのは得意でも、自分自身の価値観に基づいた問いを立てることはできません
その力を育むには、静かに本と向き合う時間がとても大切です。


読書は「自分の世界」を広げてくれる

本は、子どもたちを「まだ知らない世界」へ連れていってくれます。
それは遠い国の物語かもしれないし、未来の話かもしれません。

実際の経験だけでは得られない多様な世界観に触れることで、「自分の好き」「自分のやりたい」を見つける手がかりにもなっていきます。

つまり読書は、「自分らしさ」の種を見つける旅でもあるのです。


本を通して、「自分の幸せ」を考える力を

読書を通して、子どもはたくさんの人生と出会います。
時には心がふるえ、時にはもやもやしながら、自分の感情や価値観と向き合うこともあります。

それはやがて、「自分は何を大切にしたい?」「どんな生き方が幸せだと感じる?」という人生の土台となる問いに結びついていきます。

どんなに時代が変わっても、「幸せに生きていく力」は、読書という地道な営みから確かに育まれていく――
それが、私がいま子どもの教育において大切にしたいと感じていることです。


おわりに:AIがそばにいる時代でも、自分の人生を生きていけるように

AGIや超知能が進化していく未来は、想像以上にスピードが早いかもしれません。
けれど、どんなに便利になっても、自分の頭で考え、自分の心で感じ、自分の価値観で人生を選ぶこと――それは人間だけに許された営みです。

子どもが自然とそうした力を育んでいけるように、切に願っています。

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