【絵本から児童書へ】“読み聞かせの量”より大事な、一人読みへの自然なステップ

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絵本の読み聞かせを一生懸命されているご家庭は多いと思います。でも、ふと気になるのが「いつから児童書にステップアップするの?」「どうすれば子どもが自分から活字を読むようになるの?」ということではないでしょうか。

この記事では、我が家の実体験をもとに、「絵本から児童書への自然な移行方法」と「一人読みにつながる環境づくり」についてご紹介します。

読み聞かせは“量”より“質”

わが家でも、絵本の読み聞かせは重視してきましたが、「毎日◯冊読む」といったノルマは決めていませんでした。

大事にしていたのは、絵本がいつでも手に取れる環境を整えること。そして、子どもが興味を持ったときに一緒に絵本の世界を楽しむ時間をしっかりとることでした。

▼参考記事【子どもが本好きになる環境の作り方】暇さえあれば本棚の前にいる本が好きな子どもに育つ工夫

活字への橋渡しは、「文章を聴くこと」

絵本から児童書への移行で、特に効果を感じたのは、絵本の読み聞かせの“量”ではなく、「文章だけの物語を耳で聴く体験」でした。

児童書を読むには、ただ文字が読めればよいというわけではありません。絵の助けなしに、文章だけから内容を想像し、物語の世界を思い描く“想像力”が求められるからです。

我が家の絵本から児童書への移行・読み聞かせから一人読みへの移行の経過は、以下の通りです。

① 耳で楽しむ朗読・物語

YouTubeやPodcastを活用して、童話や昔話の朗読を食事中や車での移動中に流していました。

また、寝る前には即興で創作した物語を聞かせることも。子どもが主人公になったお話には特に大喜びで、自分でも続きを考えて話してくれるようになりました。

② 長めの物語の読み聞かせ

2~3歳頃からは、文章量の多い物語の読み聞かせにも取り組みました。

たとえば、『考える力を育てるお話』(PHP研究所)は、読み聞かせ後にクイズを楽しめるため、物語の理解を深めながら参加型で楽しめました。

『考える力を育てるお話』(PHP研究所)

この本を公園で読んでいたところ、他の子どもたちも興味を持って集まり、一緒にクイズに参加してくれたことも。

こうした経験が、「お話の記憶」などを問われる小学校受験にもつながる力を育ててくれたと感じています。

③ 絵のない物語も「聴いて」楽しむ習慣

3~4歳になると、『シートン動物記』『エルマーの冒険』『ハリー・ポッター』など長編の読み聞かせも楽しめるように。文字の小ささに関係なく、物語の面白さに引き込まれていきました。

「字が小さいし話が長いから、まだ早いのでは?」と思うかもしれませんが、読み聞かせであれば、絵がなくても物語を想像できるようになります。大事なのは“絵に頼らず、文章から世界を思い描く力”を育てること。その意味で、こうした本の読み聞かせはとてもよい訓練になりました。

④ ひらがなを教えなくても「一人読み」へ

4〜5歳頃には、ひらがなを特別に教えることなく、読書を通して自然に読み方を覚え、ひとりで本を読むようになりました。

最初に手に取ったのは、文字が大きく、ルビが振られていて、挿絵もたっぷりの児童書です。たとえば、以下のような本が「一人読み」への入り口になりました。

よみとく10分シリーズでは、科学のお話や伝記にハマり、小学校入学前後には6年生用まで読むようになっていました。

このような本は内容もわかりやすく、楽しみながら読む力を育ててくれました。

⑤ 小学生になる頃には文庫本もスラスラ

小学校入学の頃には、自然と文庫本も一人で読めるようになりました。今では毎日学校の図書室に通い、さまざまな本を借りては夢中で読んでいます。文庫本1冊を30分ほどで読んでしまうこともあり、読むスピードもぐんとアップしました。

活字を読むようになっても「絵本愛」は健在!

活字をスラスラ読めるようになっても、絵本は今でも大好き。図書館では絵本、児童書、学習まんがなど、ジャンルを問わず自由に選んで楽しんでいます。

「自分で選ぶ」という体験が、読書習慣を支える大きな力になっているように思います。

まとめ:自由に、本の世界を旅してほしい

読み聞かせは、子どもが活字の世界へと一歩踏み出すための大切なきっかけです。たくさんの言葉に出会い、想像し、自分なりに物語を味わうことで、「読むこと」が自然な日常になっていきます。

これからも、わが家では「本の世界を自由に旅できる環境」を大切にしていきたいと思っています。

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